第一のタブーは、名前に関して。黒人は白人男性に対しては「ミスター・ジョーンズ」
(Mr.Jones)女性には「ミスター・メレディス」(Miss Meredith)のように必ず敬称で呼ぶこと。そして、黒人は白人から話かけられない限り、むやみにしゃべりかけてはならない。質問されたときに応えればよい。
そして受け応えるときには、必ず「イエス、サー」(Yes,sir)、「ノー、マム」(No,ma'am)のようにいう。
黒人が相手の白人を知らない場合は「ボス」(Boss)または「キャプテン(キャプテン)」(cap'n)という。これは、かつで奴隷時代に、男性の奴隷所有者への「マスター(マッサ)」と、その婦人への「ミス」から転用された表現であるといえよう。
対照的に白人は黒人に対して敬称を使うことは皆無であった。白人は、常に見下したように黒人を名前で呼んだ。一般的に黒人男性は成人であっても「ボーイ」(boy)であり、女性は「ガール」(girl)または「ギャル」(gal)であった。
よく知った高齢の男性には「アンクル」(uncle)、女性には「アーント」(aunt)が使われた(p131~132)
ガーヴィーは、アフリカ系アメリカ人の社会的平等の探求は妄想にすぎないと主張した。なぜなら、白人がそのようなことを許すはずがないからであり、アメリカに居残る限り、決して同化することなど不可能で、永久にマイノリティで終わるように運命づけられているのだと説いた。(p168)
そのまんま女性の立場にも当てはまる。